『ルドルフ・シュタイナー希望のある読書』2023年2月10日(金)83回2023年02月10日

R・シュタイナー著『神智学』(高橋巌訳、ちくま学芸文庫)の4回目の読書です。
 今回は「一 人間の体の本性」(p35~37)を読みます。

 この文章からは、次の表現を拾ってみました。

(p35より)
 「身体の諸感覚によって、人間の体を知ることができる。」
「鉱物同様、人間はその身体を自然の素材から構築する。植物同様、人間は成長し、生殖する。動物同様、人間は周囲の対象を知覚し、その印象をもとにして、自分の中に内的体験を形成する。」
 「しかし人体は動物の体とは同じではない。その相違は、たとえどれ程人間と動物との類似が考えられるにしても、すべての人によって認められねばならない。」

(p36より)
 カールス(カール・グスタフ・カルス)著『自然認識と霊認識のための教程』から、シュタイナーが引用している文章からの抜粋です。
 「神経組織、特に脳の微妙にしてこの上もなく内的な構造は、生理学者や解剖学者にとって、依然として解きがたい謎であるが、しかし諸器官のあの集中、統一が、次第に動物性の中で高まっていき、そして人間において他のいかなる生物の中でも達せられなかった程度にまで到達しているということ、このことは完全に確認された事実である。…
…力強く、美しく発達した人体、特に頭脳の構造は、まだそれだけでは天才の代わりにはならないだろうが、いずれにせよ高次の認識のための第一の、もっとも不可欠な条件を充たしてくれるであろう。」

 「人体には存在の三つの形式、鉱物的、植物的、動物的形式が備わっているが、さらに第四の、独自の人間的形式がこれにつけ加えられねばならないのである。」

 この章「一 人間の体の本性」は、短い文章であるが、それ故に、人間身体の奥ゆきの深さを暗示させてくれる文章であると思いました。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://ogawatoshiki.asablo.jp/blog/2023/02/10/9561916/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。