飯舘村除染作業日記 5月12日(月)21日目2014年05月12日

飯舘村の美しい水の流れと除染ブルース

飯舘村除染の新規作業者への説明で、「までいライフ」の話をJV担当者は挿入した。「飯舘村は美しい」と話した。飯舘村除染を受け持つ担当者としての村民への心情を語っていたと思う。一次下請Y建設W氏も「飯舘は美しい村です」と言っていた。
除染作業で汚れた長靴や工具などは、事業所内の容器の中で洗うことが徹底されている。水道場や路面の上で洗うことは禁止されている。朝礼での注意事項として随時呼び掛けられる。飯舘村の田んぼの中を流れる小川で洗うことは禁止されている。路面の水溜りで洗うことも禁止されている。
  JV担当者、一次下請責任者、職長クラスでは徹底されている。水溜りでスコップを洗おうとした作業者の禁止注意の言葉が飛ぶ場面を目撃した。トイレもトイレカーを用意して、どうしても必要な場合は使用する。そうでない場合は10時、お昼、3時の休憩時間を利用する。野原や山林でのトイレは禁止である。ドリンクも勤務中は原則禁止である。熱中症対策として許可されるケースがある。除染事業は国の税金を投入して行っているから、環境省、JV、一次下請のそれぞれ担当責任者の神経の使いようは細かい。村民の目、市民の目、日本国民の目、マスコミの視線に曝された中で除染作業が進められている。
  除染作業に対して賛否両論様々意見がある。
  仕事を終えて月舘宿舎へ向かう車の中で、「除染ブルースでも作ったらどうか」S氏が言い出した。除染作業に就いていると、悲しみのような情緒に触れることもある。皮肉な思いになることもある。人類の犯した過信。自然に対して深い謝罪。自然の生命に対して償い深い思いを問われているような気もする。「除染ブルース」とは、生命への悲しみとそこを働く場として生きる自らの姿と、突き上げてくる感情の渦の高まりとが重なったポエムようなものなのだろう。
 ブログを投稿してから21時頃シャワーへいく。ところが湯水がでない。
放射能の土塊を洗い流して眠りたい。そう思っている宿舎住民が大半である。今日も宿舎民が入寮してきた。G社だけで6名いる。この宿舎に詰め込み過ぎではないか。「除染ブルース」は怨歌である。

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